小川崇
昨年3月、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震で脱線した東北新幹線の事故状況を調べていたJR東日本は7日、強い左右の横揺れによって車輪が浮き上がり脱線したとみられると明らかにした。今後、横揺れを和らげるための「ダンパー」と呼ばれる装置を新たに導入するなど対策を強化していくという。
地震は昨年3月16日に発生し、白石蔵王駅(宮城県白石市)の南西約2キロで東北新幹線が脱線した。JR東が事故状況を分析したところ、新幹線の車体が高架橋上で大きく揺れ、片側の車輪に大きな力がかかり、反対の車輪が浮き上がった際に車体が左右に動いて脱線したと推定できたという。そのため、地震による左右の揺れを抑制する装置を車両下部に搭載する。また、障害物をはじく「排障器」を改良してレールにかかりやすくし、逸脱防止の機能を向上させるという。
地震では、電柱や高架橋に損傷が見つかるなど、被害は計約1千カ所に上り、全線再開まで1カ月近くかかった。国の運輸安全委員会が詳しい事故原因を調べている。(小川崇)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル